なるべくコストの低いやり方で。
VDIって?
VDI(Virtual Desktop Infrastructure)とは、デスクトップ環境を仮想化する技術のことです。
ローカル上で動作しているOSを、仮想マシンで実行させます。
そうすることによって、ローカルの環境に依存することなく作業をすることができるというわけです。
企業が使うような大規模環境に適応したVDIソリューションというのはいくつか存在します。
代表的といえるのが、Ctrix社のXenDesktopでしょう。
家庭向けの定義
家庭向けといっても、どういう機能が必要なの?って話ですね。
今回は、以下のような条件を満たすものとします。
- サーバ、クライアントのOS、ソフトともに無償(ゲストのWindowsは除く)
- そこそこの応答性
- そこそこのグラフィック性能(動画視聴できるくらい)
- 高解像度ディスプレイに対応(640*320とかはやだ)
- そこそこ楽にできる管理機能がある
こんな条件で探してみました。仮想基盤と、リモートデスクトップソフトで分類します。
仮想基盤
- KVM + 管理ツール
- XenServer + XenCenter
- VMWare ESXi
- VMWare Player + VMWare VIX
- VirtualBox + phpVirtualbox
リモートデスクトップ
- MicroSoft RemoteDesktop
- Splashtop
- Mirror-DTC
- noMachine(NX)
使ったことのあるやつの解説と使った感触を少々。
1. KVM
今のところ一番馴染み深いハイパーバイザです。
自宅のサーバ仮想化技術もこれで動いています。
PCIeパススルーができたり、Nestedだったりして、無償にしては汎用性が高いですね。
欠点を上げると、高解像度時に2560*1600が存在しないことですね。
GalaxyTabPro8.4に合わないので、保留。
2. XenServer
Ctrix社が提供しているXenベースの仮想化プラットフォームです。
Xenが使用されているので、パススルーに強いのが特徴です。
研究室のサーバに入れました。
XenCenterがWindowsのみ対応だったので、Webベースの管理ツールであるXen Orchestraを入れました。
導入はすごく簡単だったんですが、Xen Orchestraがまだ実用段階に達していないので運用を諦めました。
3. VMWare ESXi
仮想化プラットフォームのド定番です。
Nestするような要件でググると、ほとんど xx on ESXi です。Nestに強い。
対応ハードにものすごくうるさいことで有名ですね。自宅サーバでは動きませんでした。
あと、ライセンスが少々厳しくて、5.1までだと物理メモリ32GB以上のハードではライセンス認証できないんですよ。
ライセンスがほしい。
仮想化プラットフォームについては以上です。
次に、リモートデスクトップ
1. MicroSoft RemoteDesktop
Windowsをリモート接続するならこれ!ってくらい、安定してます。非常に使いやすい。
このためだけにWindwos Pro版を買っても後悔しないと思います。
RDPのLinux実装である、xrdpもなかなかの速度を出します。
あと、地味にマルチディスプレイ対応です。
2. Splashtop
一番良く使っているリモート系アプリです。
Windows7 on Linux + VMWare Player の環境で使用しましたが、最強でした。
インストールかんたん、接続かんたん。
Linuxバージョンは少し癖があります。Ubuntu14.04で動かす記事を書いてます。
3. Mirror-DTC
きれい、速い、Androidクライアントある。の点で強いです。 LinuxはJava実装なので、余計なインストールなど不要で使いやすい。
4 NoMachine(NX)
KVM上のUbuntuでは、このソフトが一番高速に動作しました。
ソフトの出来も悪くないし、おすすめです。
USBレンダリング機能とかもあったような。
コントロールされる側に、とりあえず入れておいても良いレベル。
最後に
詳しくはまた追記します。
家庭でのVDIは、グラフィックが鬼門ですね、、、VT-d対応ハードがほしい。
追記(2016/02/09)
この記事を書いてしばらく経って、状況が変わってきたので追記します。
まず、仮想化基盤における変化。
仮想化基盤
VMWare ESXiに Embedded Clientが登場
VMWare ESXiにホスト搭載型のクライアントが登場しました。
詳しくはこちら。
VMWare ESXi無償版対応公式Webクライアント ESXi Embedded Host Clientを試してみた
これで、Windows縛りという制約がなくなりました。よかったよかった。
Mac OS XにApple純正のハイパーバイザ「Hypervisor.framework」が出現
長らく純正のハイパーバイザが存在しなかったOSXに、とうとうハイパーバイザが登場しました。
早速、この仕組を利用した仮想化基盤である「xhyve」が登場しています。
ascii 「boot2docker」も動作!! 「Hypervisor.framework」が変えるOS Xの仮想化環境
「iMacをサーバにする」という新たな選択肢が増えましたね。または、Mac Proを買う口実に。。。
リモートデスクトップ
リモートデスクトップに関しては、あまり変化なさそうです。しいて言えば、Chrome リモートデスクトップが登場したくらいでしょうか。
Ubuntuで試しましたが、ChromeのOSS版であるChromiumでも動作しました。かなり便利に使えるので、セキュリティにさえ気を使えば強力な選択肢になりえます。
しかし、動画関連が弱いですね。
あ、あとSplashtopが公式に14.04に対応しました。めでたしめでたし。
この記事の後に試したこと
VDIの実験をしました。それは、VGAパススルー状態でのRDPは快適かという実験です。
ここでのRDPは、Windows標準のリモートデスクトップのことです。
結論を言うと、非常に快適でした。重いFlashもさくさく動き、転送されてくる画面は圧縮済み。なんとまあ素晴らしい状態でした。
VGAに不具合があったのか、パススルーがうまくいってなかったのかわかりませんが、たまにqemuがハングしたので残念ながら破棄。すごく使いやすかったのに。。。
追記まとめ
4月になったらまたいろいろ試したいです。お金が貯まるまで我慢。。。
お知らせ
ブログ移転しました。ESXiと家についても書く予定なので、ぜひ来てください!